Tue. 9. 10. 2012

プレママの食事と離乳食

妊娠中の食事

今日は、妊娠中のお食事についての注意点をご紹介します。

 

赤ちゃんは、発育に必要な栄養を母体から胎盤を通して摂ることになります。

そのため、妊娠中の栄養は、赤ちゃんの健やかな発育とお母さんの健康維持のために重要となります。

 

☆出産までの体重増加

妊娠中は、赤ちゃんの体重に加えて羊水や胎盤などの重量も増えるので、お母さんの体重が増えるのは自然なことです。

ただし、太り過ぎると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、分娩異常を引き起こしやすくなります。

逆に体重が増えないと、お母さんの貧血や低体重児出産のリスクが高くなります。

低体重児として生まれた赤ちゃんは、将来において生活習慣病になるリスクもあると言われています。

安産のためにも妊娠中の体重管理は大切です。

 

【体格区分別推奨体重増加量】

BMI※1(体格指数) 妊娠中期から末期の
推奨体重増加量
妊娠前期間を通して
推奨体重増加量
18.5未満 0.3〜0.5kg/週 9〜12kg
18.5以上25.0未満 0.3〜0.5kg/週 7〜12kg
25.0以上 個別対応 個別対応

厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」より

※1 BMI=妊娠前の体重[  ]kg÷身長[  ]m÷身長[  ]m

 

【食事摂取基準】

  非妊娠時 妊娠時
18〜29才 30〜49才 初期 中期 後期
エネルギー(kcal) 1950 2000 +50 +250 +450
たんぱく質(mg) 40 40 +0 +5 +20
ビタミンA(μgRE) 450 500 +0 +0 +60
ビタミンB1(mg) 0.9 0.9 +0 +0.1 +0.2
ビタミンB2(mg) 1 1 +0 +0.1 +0.2
葉酸(μg) 200 200 +200 +200 +200
ビタミンC(mg) 85 85 +10 +10 +10
カルシウム(mg) 550 550 +0 +0 +0
鉄(mg) 5 5.5 +2 +12.5 +12.5

 厚生労働省「2010年度版 日本人の食事摂取基準」より

※身体活動レベルを普通とした場合のエネルギーを表示

 

☆妊娠期別の食事の摂り方

○妊娠初期(16週未満)

この時期は、赤ちゃんはお母さんからの栄養をあまり必要としないため、妊娠前と同様です。

つわりがある時期は、組み合わせにこだわらなくても大丈夫です。

食べられる時、特に妊娠3ヶ月までは葉酸を含む野菜や果物、レバーなどを意識して摂りましょう。

また、妊娠中の喫煙、飲酒は赤ちゃんの発育に影響を与えるので、喫煙、禁酒を心がけましょう。

◇つわりの時

・  食べられるときに食べられるものを(口当たりのよいもの、酸味のあるもの、冷たくてあまり臭いのないものなど)

・  少なめの量を何回かに分けて食べる(空腹でも満腹でもムカムカすることがあるため)

・  外出時もクッキーなどすぐ口にできるものを携帯する

※  ただし、吐き気が強くて食べものや水分が受けつけない状態が続く場合は医師に相談してください。

 

○  妊娠中期(16〜28週未満)

この時期は、赤ちゃんの著しい成長にともない、初期よりもエネルギーやたんぱく質、カルシウム、鉄分が必要になります。

つわりがおさまり安定期に入ると、食欲がわいてカロリーオーバーになりやすいので、食べ過ぎや糖分や脂質の多い菓子類の摂り過ぎには気をつけましょう。

 

○妊娠末期(28週以降)

末期は、赤ちゃんが大きくなるにつれて胃が押し上げられるので、胃が圧迫されて一度にたくさん食べられなくなります。

そんな時は食事を4〜6回くらいに分ける等工夫してみましょう。

◇  貧血予防

特に中期・末期は赤ちゃんの血液を作ったり、お母さんの血液量も増えるので、鉄が必要になります。

お母さんが貧血になると、赤ちゃんが生後早いうちから貧血になりやすくなります。

鉄分は、果物や野菜に含まれるビタミンCや、肉や魚に含まれるたんぱく質と一緒に摂ると吸収がよくなります。

逆に緑茶やコーヒーなどに含まれるタンニンを一緒に摂ると鉄の吸収が悪くなるので、食事と一緒に飲まないように気をつけましょう。

鉄分の多い食品としては、肉(赤身、レバー)、魚介(かつお、ぶり、あさり)、卵、大豆製品(納豆、豆腐、高野豆腐)、野菜(ほうれん草、小松菜、枝豆)、他(ひじき、きくらげ)、シリアルなどの鉄強化食品があります。

◇  カルシウム

妊娠中はカルシウムの吸収率がよくなりますが、もともと不足しがちな栄養素です。

鮭や干し椎茸などのビタミンDを一緒に摂ると吸収がよくなります。

特に、吸収のよい牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品は毎日摂るようにしましょう。

豆腐、魚介類、海草類、野菜などにも多く含まれます。

◇  塩分

塩分の摂り過ぎは、むくみや高血圧を招きます。

しょうゆや塩などの調味料の使い過ぎや、漬物やつくだ煮の摂り過ぎに気をつけましょう。

汁物や麺類のつゆは全部飲まないようにし、汁は具沢山にするとよいでしょう。

だしを効かせたり、柑橘類の果汁や香味野菜などをうまく利用すると薄味でもおいしくいただけます。

◇  便秘

野菜、きのこ、海草類など繊維の多い食品を積極的に食べましょう。

ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品を摂って、腸内環境を整えましょう。

水分をしっかり摂り、規則正しい食事と生活で排便の習慣をつけましょう。

◇  葉酸

胎児の神経管閉鎖障害発祥リスクを減らすために、葉酸を多く含む緑黄色野菜、豆類、果物などを毎日摂ることが必要です。

妊娠を計画している女性や妊娠の可能性のある方は1日400μg摂取するようにしましょう。

栄養補助食品を利用するのもよい方法です。

◇  ビタミンA

妊娠3ヶ月以内にビタミンAを1日3000μgRE以上摂取すると、赤ちゃんの奇形発症率が高くなることが報告されています。

野菜に多いβカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので特に問題はありませんが、ビタミンAの多いレバーを毎日食べたり、サプリメントを大量に摂取するのは控えましょう。

◇  水銀

魚介類はたんぱく質やカルシウム源としても重要な食材ですが、自然界の食物連鎖を通じて微量の水銀を含んでいるものがあるため、偏った食べ方をするとお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があると言われています。

水銀濃度の高い金目鯛、めかじき、黒まぐろ(本まぐろ)、めばちまぐろなどは一回約80gとして、週1回までにとどめましょう。

 

(高松)

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